化粧品に入っている「防腐剤はお肌に良くない」と言われることが多いですよね。
しかしそれは、本当に良くないのでしょうか?
今回は、化粧品における防腐剤のお話です。
字の通り、”腐ることを防ぐこと”ですね。
お化粧品には、アミノ酸や糖類、油脂などと言ったカビが生えやすく、 微生物が繁殖しやすい成分が多く使用されています。
その為、こういった微生物やカビの原因菌に肌が汚染される危険性を避けるものそれが防腐剤なのです。
実際に過去には防腐剤が含まれていなかったせいでこんな事件も…
その昔ある国で、メイクのアイライナーに混入されたていた細菌の一種である「緑膿菌」が目に入ってしまい失明してしまった。
という事件がありました。
実はこの緑膿菌というのは人に対して強い感染力を持たない細菌であり通常であれば失明という症状までは陥りません。
しかしこの事件においてはアイライナーの中という狭い空間だったため、大量に増殖してしまった結果として失明という症状に繋がりました。
この事件を機に、防腐剤や防菌・防カビなどの対策が取り入られたとも言われております。
化粧品は、食品に比べると使用期間が長いだけではなく、蓋を開け手や指に触れることが多いですから、安定した品質をキープするには、必ず防腐剤の添加が必要なのです。
その中でもよく私達がよく目にする種類が、パラベン、フェノキシエタノール、
ヒノキチオール、安息香酸でしょうか。
【防腐剤は様々なところで活躍しています】
一般的に「防腐剤ってどこで活躍しているでしょうか?」という問いかけをするとスキンケアアイテムやコスメそしてシャンプーなどの
ヘアケア商品と多くは自分に使うものが挙げられます。
(確かにメディアでも肌に炎症が起こると「この防腐剤や成分に毒性があるためです」などと取り上げられて強く印象が残ってしまいますから
しょうがないかもしれません。)
ですが目薬や食品そして飲料などにも含まれており「防腐剤」というのは私たちの生活にとってなくてはならないものなのです。
しかし、防腐剤を使用していないとか、中にはパラベンフリーですよ!
と謳われているものがあります。
「防腐剤なかったら細菌の繁殖とか色々大丈夫?」と不安を抱える方もいらっしゃるかと思いますが問題ありません!
それは2つに分けられる理由があります。
では、なぜ防腐剤の添加が必要なのに不使用で大丈夫なのか?
答えは、大丈夫な場合があります! となります。
【理由1】
それは、(サンプルパウチは除いて)封を開けて一度で使いきれるもの、
又はフルーツや野菜をカットして原料そのものを使用する場合
は本当に防腐剤フリーで作れますし、使用できます。
実際に考えていただければご理解いただけるかと思いますが、衛生管理がしっかりとなされた工場で作られ、密閉されていた状態でユーザーの元に届くため防腐剤を入れる必要がないんです。
【理由2】
「防腐剤不使用」や「パラベンフリー」の謳い文句のある商品って一般的に『防腐剤』と呼ばれてはいないけれど防腐剤とほとんど変わりない働きをしているため。
同じなら防腐剤使った方が混乱しなくてよさげですが、ボタニカルや自然由来の成分が流行っている現代だと一般的に『防腐剤』や『パラベン』などが
よく思われていないため防腐剤として認定されていない成分を代用して使った方が選ばれる商品になる!という売り手の戦略です。
しかし、多くの化粧品は違い、少量であっても一度で使い切るものは多くはありませんよね。
ですから、このような「防腐剤がなくても大丈夫な場合」は極稀な例とも言えます。
つまり、【肌が弱い=保存料全て向かないと考えるのはNG】
肌の弱い方でよくありがちなのが「パラベンが入っているから使えない」
そのように化粧品を使う前の段階から肌に合わないと判断してしまうこと。
実際にパラベンが肌に合わないという方も確かに多く存在しますが、パラベンを敬遠する多くの人は自身が肌が弱いためネット上での「パラベンという成分で肌に悪影響が出た」という情報を鵜呑みにしてしまっている場合もあります。
ですのでパラベンのみを悪としてみるのではなく、他の成分で防腐剤として配合されているものはないか?
と、把握し判断する必要があるのでは?と思います。
つまり、防腐剤不使用、防腐剤フリーというお化粧品は存在しないに等しい!
っと言うことなのです。
むしろ、過去の失明してしまった事件から見ても雑菌の繁殖が抑えられるため防腐剤が入っているほうが安心だと言えますね。
”POINT”
防腐剤には様々な種類があるので、化粧品で肌に炎症などが起きた際は刺激性が認められている成分を全て記録していくことが大切です。
それを繰り返してあげることで自分の肌に本当に合わない成分を発見することができます。
悪者にされがちなパラベンですが、実はどの防腐剤よりも安全だと言われています。
(実際に、パラベンでアレルギーを起こす割合は極々わずかだとも言われています。)
ちなみに日本では、≪開封しなければ、最低3年間は安定する商品を作らなければいけない≫
という決まりがあります。
ですから、3年間品質が変わらないようにキープすることが必要不可欠。
その時パラベンは、少量で強力な殺菌性を発揮するため、化粧品の1%未満の配合 でOKという優れものなのです。
ですから極々一部のパラベンのアレルギーの方を除いて、幅広い方がお使いになれる上に、 しっかりと品質の安定をする力に優れているために、よく「パラベン」を防腐剤と使用されていると言うことなのですね。
ちなみに当社のセルビックも、あえてパラベンを使用しております。
たまに防腐剤を気にされるお客様もいらっしゃいますが、 そのようなお客様は、私達スキンケアスタイリストが尊敬してしまう程、 ご自身のお肌を大切に大切にお考えの方。
だからこそ誠意を持って、20年以上のコンサルティング経験から上記のような説明をさせて頂いております。
お化粧品だけではなく、私達が口にする食品や飲料水にも防腐剤が殆どと言ってよいほど入っています。
でも、お肌と身体のために、少しでも良いもの・・・とお考えになるのは とっても大切なことですよね。
皆様には、防腐剤不使用、フリーの本当の意味を踏まえたうえで 本当に皆様のお肌にあったお化粧品が見つかりますよう願っております。
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